小児矯正治療

お子様の健やかな成長と輝く未来のために

大切なお子様の歯並びについて、「このままで大丈夫だろうか」「いつか治した方が良いのだろうか」と、ふとした瞬間に気になり、心を寄せている保護者様は多いことと思います。

小児矯正は、ただ歯をきれいに並べることだけが目的ではありません。

お子様の成長期という、限られた、そして非常に貴重な時期の力を借りて、顎の健やかな発育を促し、永久歯が正しく並ぶための「土台」を築いてあげること。

そして、お口周りの正しい機能を育て、生涯にわたる健康の礎を築くこと。

それが、私たちの考える小児矯正の、本当の目的です。

お子様の未来への、かけがえのない贈り物となる、小児矯正という選択肢についてお話しします。

小児矯正と大人の矯正

小児矯正が、大人の矯正と根本的に異なる点が一つあります。

それは、お子様の「成長する力」を活用できることです。

大人の矯正が、すでに成長を終えた顎の骨の中で、歯を動かしていく治療であるのに対し、小児矯正は、まだ成長途中にある顎の骨そのものの成長を、正しい方向へ導いていく治療です。

大人の矯正	小児矯正
成長を終えた顎の骨の中で歯を動かす治療	成長途中の顎の骨そのものの成長を正しい方向へ導く治療
歯を動かすことが主目的	顎の成長をコントロールし、土台を整えることが主目的

例えば、顎が小さくて永久歯が並ぶスペースが足りない場合には、顎の成長を促して横に広げ、スペースを確保することができます。

上顎と下顎の成長のバランスが悪い場合には、そのズレを修正していくことも可能です。

この成長期という絶好の機会を活かすことで、将来的に、より大掛かりな治療が必要になる可能性を減らしたり、永久歯を抜かずに治療できる可能性を高めたりすることができるのです。

小児矯正が目指すもの

当院の小児矯正では、目先の歯並びだけでなく、お子様のお口全体の機能と、将来の健康を見据えた、いくつかの目標を掲げています。

1. 顎の健やかな成長を正しい方向へ導く

小児矯正の大きな目的の一つが、顎の骨の不調和を改善することです。

顎が小さいために歯がデコボコに生えてしまったり、上顎や下顎が前に出過ぎていたり、あるいは横にずれていたり。

これらの問題を、骨がまだ柔らかい成長期に改善することで、永久歯がきれいに並ぶためのしっかりとした土台を築きます。

2. お口周りの悪い癖の改善

指しゃぶり、舌を前に突き出す癖、いつもお口がポカンと開いている口呼吸。

これらのお口周りの癖は、無意識に行っていることがほとんどですが、実は歯並びや顎の成長に、非常に大きな影響を及ぼしています。

例えば、口呼吸が続くと、お口周りの筋肉のバランスが崩れ、出っ歯や受け口の原因となることがあります。

小児矯正では、専用の装置を用いることで、これらの癖を改善し、お口の筋肉の機能を正しく育てていくことも、大切な治療の一環です。

3. 永久歯が美しく並ぶための土台を築く

小児矯正（第1期治療）を行うことで、すべてのお子様が、将来、大人の矯正（第2期治療）を全くしなくて済む、というわけではありません。

しかし、土台となる顎の骨格的な問題が改善されることで、たとえ第2期治療が必要になったとしても、その治療がより単純なものになったり、治療期間が短くなったり、あるいは永久歯を抜かずに済んだりと、様々な良い影響が期待できます。

小児矯正は、お子様が将来受けるかもしれない治療の負担を、できる限り軽くしてあげるための、準備段階としての意味合いも持つのです。

いつから始めるべき？治療開始のタイミング

「うちの子は、いつ頃相談に行けば良いのでしょうか？」

これは、保護者様から頻繁にいただくご質問の一つです。

治療を開始するのに適した時期は、お子様のお口の状態によって一人ひとり異なりますが、**初回の相談に訪れるタイミングとしては、6歳から7歳頃**、下の前歯が永久歯に生え変わり始め、奥に「6歳臼歯」と呼ばれる永久歯が生えてきた頃が一つの目安となります。

相談の目安時期

6歳〜7歳頃

下の前歯が永久歯に生え変わり始める
奥に「6歳臼歯」と呼ばれる永久歯が生えてくる

この時期にお口を拝見することで、顎の成長のパターンや、永久歯の大きさ、生えてくるスペースが足りているかなどを、ある程度予測することができます。

もちろん、その時点ですぐに治療を始めるとは限りません。

治療の必要がない場合もあれば、しばらく成長の様子を見守り、効果的な時期を見計らって治療を開始する場合もあります。

大切なのは、お子様の成長という貴重な機会を逃さないために、まずは専門家の目で、一度お口の状態をしっかりと確認しておくことです。

当院の小児矯正治療

大切なお子様の、未来を左右する治療だからこそ、当院では専門性の高い、安心の治療体制を整えています。

矯正担当医師による、専門的で安心な治療

お子様の顎の成長は、非常に繊細で複雑です。

その成長を正しく予測し、適切な時期に、適切な力を加えて導いていくためには、矯正治療に関する深い知識と豊富な経験が不可欠です。

お子様一人ひとりの成長段階と、骨格の特性を正確に見極め、その子にとって適切な治療計画を立案します。

主な治療方法と装置

小児矯正では、主に取り外しのできる装置を用いて、顎の成長をコントロールしたり、お口の機能を整えたりしていきます。

床矯正装置（しょうきょうせいそうち）

主に、顎を横に広げて、永久歯が並ぶためのスペースを作る目的で使用する、取り外し式の装置です。

装置の中央にあるネジを少しずつ回すことで、ゆっくりと顎の骨の成長を促していきます。

機能的矯正装置（お口の機能を整える装置）

「プレオルソ」に代表される、柔らかいマウスピース型の装置です。

これを日中や就寝時にお口の中に入れることで、舌を正しい位置に導き、鼻呼吸を促し、お口周りの筋肉のバランスを整えます。

筋肉の働きを正常化することで、間接的に歯並びを良い方向へと導いていく、比較的新しい考え方の治療法です。

お子様自身の負担も少ないのが特徴です。