03-6429-9644口腔外科・親知らず治療
お口と顎のトラブルに対応する専門的な歯科医療
「口腔外科」と聞くと、何か大変な手術をする場所、という少し怖いイメージをお持ちになるかもしれません。
口腔外科が扱う領域は、虫歯や歯周病といった一般的な歯科治療とは異なり、親知らずの抜歯、顎の関節の問題、お口の中のできもの、転倒などによる歯や顎のケガといった、より専門的な知識と技術が求められる、多岐にわたる疾患です。
当院の大きな特徴の一つは、院長である私が「日本口腔外科学会 認定医」であることです。
認定医とは、大学病院などの指定された医療機関で、長年にわたり口腔外科領域の厳しいトレーニングを積み、専門的な知識・技術・経験を有することを学会によって認められた歯科医師です。
お口周りの外科的な処置は、患者様にとって、ご不安が伴うのは当然のことです。
だからこそ、私たちは、そのご不安に寄り添い、安心して治療に臨んでいただけるよう、専門家としての責任と覚悟を持って、日々の診療に取り組んでいます。
このページでは、当院の口腔外科治療の考え方と、主な対象疾患について、詳しくご説明いたします。
当院の口腔外科治療の考え方
安全の礎となる精密な診断
外科的な処置において、優先されるべきは「安全性」です。
安全な治療は、術前の正確な診断なくしてはあり得ません。
特に、親知らずの抜歯やインプラント手術などでは、顎の骨の中を走る太い神経や血管の位置を、三次元的に、そしてミリ単位で正確に把握しておくことが、偶発的な事故を防ぐ上で極めて重要になります。
当院では、歯科用CTを導入し、従来の平面的なレントゲンでは決して分からなかった骨の形態や厚み、神経・血管との位置関係を、事前に詳細に確認します。
このCTによる「見える化」が、安全な手術計画の立案を可能にするのです。
また、手術の際には、歯科用の拡大鏡（ルーペ）やマイクロスコープを用いることで、視野を拡大し、より精密で、身体への負担が少ない処置を心がけています。
患者様のご負担を軽減する取り組み
外科処置には、痛みを伴うイメージがつきものです。
私たちは、そのご負担をできる限り軽減できるよう、麻酔の段階から配慮しています。
麻酔注射の前には表面麻酔をしっかりと効かせ、注射の際には、痛みの少ない電動麻酔器を使用します。
また、処置そのものも、精密な診断に基づいて、できる限り侵襲の少ない（身体を傷つける範囲の少ない）方法を選択します。
高次医療機関との連携体制
当院では、ほとんどの口腔外科疾患に対応が可能ですが、全身的なご病気との関わりが深い症例や、極めて稀で、より高度な設備や入院管理が必要となる症例も存在します。
そのような場合でも、患者様が良の医療を受けられるよう、当院は大学病院などの高次医療機関と密な連携体制を築いています。
院長自身の大学病院での勤務経験を活かし、適切な医療機関へ、適切なタイミングでご紹介する。
それは、地域医療を担う一員としての、私たちの重要な責務です。
どのようなお悩みであっても、まずは安心してご相談ください。
親知らずの治療
親知らずは、一番奥に後から生えてくる永久歯です。
現代人は顎が小さくなってきているため、親知らずがまっすぐ生えるためのスペースがなく、横向きに生えたり、骨の中に埋まったままになったりすることが少なくありません。
抜歯が勧められるケース
すべての親知らずを、抜く必要はありません。
まっすぐに生えていて、歯磨きもしっかりできており、特に問題を起こしていなければ、そのまま様子を見ることもあります。
しかし、以下のような場合には、他の大切な歯に悪影響を及ぼす前に、抜歯を検討することをお勧めします。
| 状態 | 問題点 |
| 虫歯になっている | 一番奥にあって磨きにくいため、虫歯になりやすく、また治療も困難なことが多いです。 |
| 歯ぐきが、繰り返し腫れたり痛んだりする | 親知らずの周りの歯ぐきに汚れが溜まり、炎症を起こす「智歯周囲炎」を繰り返している場合。 |
| 手前の歯を、押してしまっている | 横向きに生えた親知らずが、手前の歯の根を押し、歯並び全体を乱す原因となることがあります。 |
| 清掃が難しく、口臭の原因となっている | 歯磨きが不十分で、常に汚れが溜まっている状態は、口臭の原因にもなります。 |
親知らずの可能性 ― 歯牙移植という選択肢
もし、親知らず自体は健康で、他の場所で歯を失ってしまった場合、条件が合えば、その親知らずを抜歯して、歯がなくなった場所へ「移植」する、歯牙移植という治療法が選択できることがあります。
ご自身の歯を用いるため、身体への馴染みが良いのが特徴です。
顎関節症
「口を開けると、顎がカクカク鳴る」
「口が大きく開けられない」
「顎の関節や、こめかみが痛む」
このような症状は、顎関節症のサインかもしれません。
顎関節症は、顎の関節や、その周りの筋肉（咀嚼筋）に問題が起こる病気です。
原因は一つではなく、噛み合わせの問題、歯ぎしりや食いしばりの癖、ストレス、姿勢など、様々な要因が複合的に絡み合って発症すると考えられています。
また、症状は顎だけでなく、頭痛や肩こり、めまいといった、全身に及ぶこともあります。
当院では、まず、原因となっている可能性のある生活習慣の見直しや、ご自身でできるセルフケアの指導から始めます。
そして、夜間の歯ぎしりなどから歯と顎を守るための、マウスピース（スプリント）を作製し、症状の緩和を図ります。
多くの場合、これらの保存的な治療で症状は改善しますが、必要に応じて、噛み合わせの調整や、薬物療法などを組み合わせることもあります。
その他の口腔外科で扱う疾患
歯の外傷（ケガ）
転倒や衝突などで、歯を強くぶつけてしまう。
お子様だけでなく、スポーツや交通事故などで、大人の方にも起こりうるトラブルです。
歯が欠けた、折れた
欠けた部分が小さければ、歯科用のプラスチックで修復できる場合があります。
大きく欠けたり、神経まで達したりした場合は、かぶせ物や、根の治療が必要になります。
歯がグラグラする
歯の位置を元に戻し、隣の歯と一時的に固定して、安静を保ちます。
歯が、完全に抜けてしまった
歯が抜けてしまった場合、条件が良ければ、元の場所に戻す「再植」が可能です。
その成否は、抜けた歯を、いかに良い状態で、いかに早く歯科医院へ持ってこられるかにかかっています。
歯が抜けてしまった時の対処法
- 抜けた歯の根の部分には、絶対に触らないでください
- もし歯が汚れていても、水道水でゴシゴシ洗わないでください（土などが付いている場合は、さっと洗い流す程度）
- 歯を乾燥させないことが、重要です。牛乳か、生理食塩水に浸してください。それらがなければ、お口の中（頬と歯ぐきの間）に入れておくのも一つの方法です
- できる限り早く（理想は30分以内）、歯科医院を受診してください
口内のできもの・腫瘍
お口の中にも、皮膚と同じように、様々な「できもの」ができます。
そのほとんどは、口内炎や、良性の腫瘍です。
しかし、ごく稀に、悪性腫瘍（口腔がん）である可能性も否定はできません。
「なかなか治らない口内炎がある」
「歯ぐきや舌に、白かったり赤かったりする、ただれた部分がある」
「だんだん大きくなる、しこりのようなものがある」
このような気になる症状があれば、自己判断で放置せず、必ず専門家である私たちにご相談ください。
早期発見・早期治療が、何よりも大切です。
お口周りのことで、少しでも気になること、不安なことがありましたら、どうぞ一人で悩まず、私たち専門家にお任せください。
皆様が安心して、健やかな毎日を送れるよう、全力でサポートいたします。